女性が男性から性的な刺激を受けても何の興奮も覚えず、性器が渇ききったままにある状態を指す。これでは勃起したペニスをスムーズに受け入れることはできない。膣は子宮と外陰部を結ぶ7~8センチの管。通常は、性的な興奮につれて外陰部が充血して膨らみ、ペニスを受け入れやすくなるように分泌液が出て、膣口が開き、膣内部が伸びる。これが性交のメカニズムだ。それなのに、まったく興奮しない、濡れないという原因はなんだろう? パートナーを愛せない、彼のテクニックが未熟、不倫している、緊張してしまう、身体的な悩みがある、邪念があってセックスに集中できない、などなど心因的な問題が多いようだ。まったくもって論外だが、セックスレスのカップルのなかには性行為そのものが億劫だという人も。セックス嫌いだからハナから興奮することもないのである。
江戸時代の『色道禁秘抄(しきどうきんぴしょう)』(評釈・高橋鐵)によると、「不感症を治すには口唇性感を高め、視野を塞いで、注意を陰具へ集中する」とあり、目を閉じてのキスが最も有効と教えている。実際、甘いキスを忘れた熟年カップルには新鮮な味わいかも。